自分が小学生ころは、たこ焼きは珍しい食べ物だった。
食べれるとしたら、夏の屋台で、500円ぐらいして食べるのだ。
しかも中にはタコは破片しか入ってない。
小麦粉とキャベツがほとんどの、たこ焼きとはいえない食べ物だけど、食べたかった。
他にお好み焼きと、綿飴もあるけど、やっぱりたこ焼きがよかった。
ソースがよかったのかもしれない。
焼きそばは家でも食べれるから、そんなにそそられはしなかったけど。
家で食べる焼きそばは、具なんて入っていない。
素うどんならぬ、素焼きそば。
麺をただ炒めて、ついてる粉を振りかけて終わりの焼きそばだけと、好きだった。
一回高熱が出て何も食べれなく、母親が何か食べたい物はないかと、聞いてきたときに、出てきたメニューがこの素焼きそばだった。
焼きそばと聞いて、驚いていたけど、すぐに店に、焼きそばの麺を買ってきてくれて、作ってくれた。
田舎だから、麺を買うにも店が遠いのに行ってくれた。
ソースの匂いがよかったのか、不思議と食べれた。
自分がお代わりすると、母親も喜んでまた作ってくれた。
母親のご飯に、あまり思い出はないけど、それだけは鮮明に覚えている。
奇跡の焼きそばだから。