回り道の人生

人生は答えを求められる。

物心つく頃から何らかしら、答えを出す人生が始まる。

答えを出して、進んで。

進むとまた答えを求められる。

その繰り返しをしている。

人によっては答えを出すことを拒否したり、酷いときには自ら答えを出すこと辞めてしまう人もいる。

自分もある日突然、答えを出せなくなった。

そればかりか、進むことも戻ることもわからなくなった。

そんな病気が発症したからだ。

でも、自分はまだ楽な方だ。

自分の奥さんが3年掛かって出した答えを、半年で出せたからだ。

奥さんが真っ暗な闇の中を先に進んでいたので、自分はその足跡をたどるだけだった。

ある意味人生のカンニングかもしれない。

他の人は、薪でできた布団で眠り、目覚めては熊の肝を舐める様な生活をしている。

同じ坂を何度も登り、もう少しで手が届きそうで、それなのに転げ落ちてしまったり。

全身血だらけなのに、急な崖を無理して登る人もいる。

みんな何かしらの答えを出すためだ。

この病気は、物凄く遠回りしたり、真っ暗な道を進むことを強いられる。

人間何百年も生きられるわけではない。

だから少しでも近道をしてほしい。

真っ暗な道なら少しでも羅針盤の針を示してあげたい。

確かに大したことはできない。

でも、何かしらのヒントだったり、きっかけだったり、できたらと思う。

大きなお節介かもしれない。

ただのエゴかもしれない。

でも少しでも早くトンネルを抜けてほしい。

少しでも楽に生きてほしい。

願うのはそのことだけだ。