大分前から見かけるCMで、ちょっと世間知らずぽい若い女性が、不動産屋さんに来て部屋を探している。
そんな中、面倒くさそうに電話をしていて、向井理がふんする不動産屋さんにかけてる電話を渡すシーンがある。向井理が電話を代わると、電話の向こうでは、田舎のちょっと堅物の親父さんが、一言電話で、
『娘が幸せになる部屋、お願いします。』
と電話口でお願いするシーンがある。
そのCMを見てると、いつもじーんとしてくる。
その時の、もう独り立ちしている娘さんを心配しているのだけど、できることは、不動産屋さんにお願いすることしかできないその心境を考えると、目頭が熱くなる感じがする。
自分も上京する時。3月なのにとても寒い日だった。
上京する実感があまりなく、家電や衣類、身の回りの物を準備して、宅急便で送ってやっと、何となく上京、この家を出ていく実感がわいてきた。
出発の日まで特に何を言う事もなく、過ごし、その日は来た。
朝、雪がちらつく日。一緒に上京する友達の親が運転する車に乗り込んだ。
父親は特に見送る事はなかったが、
母親が来て見送ってくれた。
何を話したかはもう憶えていないけど、一言二言、話したかもしれない。
車がゆっくり発車して、母親が手を振っているのに、自分は照れてか特に何をする事はなかった。
車は走り出し、母親がどんどん小さくなっていく。
おそらく見えなくなるまで、見送ってくれたかもしれない。
親の愛情てそういう、ところなのかもしれない。
だからかわからないけど、このCMに何かをリンクしてしまうのかもしれない。