一生言われたかったこと。

高校一年生の時、自分はある決意をした。
前々からほしかったパソコンを手に入れるのだ。

手持ち分と、夏休みのバイトで何とかしようとしたが、バイト代が安かった。高校で許可のあるスーパーだと時給500円だった。今思えば最低賃金下回ってない?!とか思うけど、その当時は社会勉強というなのバイトなので文句が言えなかった。
朝から晩までスーパーのバックヤードで野菜を袋にひたすら詰めていた。ジャガイモ、玉ねぎ、人参。計りにのせて規定の重さになるように大きさを見ながら入れるのだ。
たまに店にでて、自分の詰めた野菜が売れているとなんだかうれしかった。
そんなバイトを2週間して、5万円くらいだった。
でも足りない、足らないのです。
あと3,4万。

値段忘れたけどそれなりにしたような気がする。
調べると定価が17万らしい。
今は4万円くらいで3000倍ぐらいの性能のパソコンを買えるけど!当時としては破格の値段だった。ちなみに機種はEPSONのPCCLUBです。

おー懐かしいーーー!!
で足らない分はどうしたかというと、母親の祖父さん祖母さんにたかりました。
ちょうどお盆の時期なのでチャンスでして。
バイトしていること、パソコンがほしいことを話して、そして言いました。
小遣い1万じゃ足らないよ。3,4万は欲しいて。

祖父さん祖母さんは苦笑いしてたけど、貰うことに成功し、無事買うことができてのですが、そのかわり遊びに行くごとに、小遣いをせびったときの話を、毎回されるようになった。

あー。こりゃあー、一生言われると思ったときもありました。
東京に上京し帰っても、まだ言われます。
で祖父さん祖母さんは懐かしそうに言ってきます。
はいはい。自分は話半分て聞いていました。
でもその日は突然やってきました。
祖父さんが亡くなったのです。
その半年後でした、後を追うように祖母さんが亡くなったのが。

もう、あの家に行っても、誰も小遣いをせびった話はしません。
なんだろう。この感覚。穴があいたようだ。
あの話をしながら笑っている、祖父さん祖母さんはもういない。

今じゃ、小学校からパソコンはさわれるけど、当時は結構珍しかった。
早くから機会をくれた祖父さん祖母さんには本当に感謝している。
自分の人生でパソコンを手に入れたのは、大きなターニングポイントになったとおもう。
でも実際はゲームとワープロをしていただけだったけと。

本当に感謝します。