勇気のない自分

この間の話なんだけんど、自分が通勤しているのは都営新宿線です。

笹塚から本八幡までの区間を走っています。

新宿を出ると主要な所の最寄駅、乗り換え駅となっています。

そんな、通勤電車の中。

女性が自分の方へフラフラと歩いてきました。と行っても満員に近い車内どうやって来たかはわかりませんが、その女性はそのまま自分を通り過ぎて電車の連結部分まで来ると、そのまま座り込んでしまったのです。

えーーーー。

自分はかなり動揺しました。

自分が立っている所は、優先席の前です。

席の方をちらっと見ましたが、誰も気づいていないのか席を譲ろうという雰囲気はありません。

自分は音楽を聴くのをやめて、声をかけようとしましたが、いや待てよ。

そもそもこの女性なんで座り込んでいるのかよく分からないし、実は声をかけては欲しくはなくてここに来て座り込んでいるのかもしれない。

その女性は駅に停車する度に、立ったり座ったりしています。

調子が悪いのはわかるけど、どうしようか。

やっぱり、優先席のインターフォンを押して車掌さんに連絡するべきだろう。

いや待てよ、ここは新宿と馬喰横山の間、ここで急病人対応をしたら10万人。いや、10万人以上を足止めすることになる。それぞれの駅はすぐに人が身動きができないぐらい混雑するだろう。駅も入場規制をするだろう。

でも、脳の病気で座り込んでいるならば、一刻の猶予もない。

救急車は、現場到着までの平均時間は5分から10ぐらいと聞いたことがあるな。

それを考えると、3駅先の駅で救急車を待機してもらえば、遅延は最低限に抑えられるかもしれない。

ほんの数分なのに、いろいろなことが頭を巡っては葛藤がどんどん増えていきました。

そうだ。やっぱり声をかけて一緒に電車を降りよう。

自分の仕事なんて大したことはないので遅刻しても構わない。

そもそも人の体調に関わることだから。

ちょうどよく、駅に停車しました。

声を掛けようそした瞬間。

すると女性は立ち上がり、そのまま歩いて電車を降りていきました。

助かった。

正直自分はそう思いました。

助かったのは、女性の方ではなくて。

自分自身でした。

普段から困っている人がいたら、助けるなんて大層なことはできないけど、何か手伝おうを思っていたのに、結局は何もできませんでした。

前に、京王線で急病にが出た時だったのかホームの緊急停車ボタンが押されて、急病人を駅員さんに教えている人がいました。

今思えば、すごい勇気の持ち主だと思える。

他の時も、電車から降りてから倒れ込んだ中年の男性に声をかけて、駅員さんを呼びに行ったか若い男女の二人。

躊躇はしない。その行動力。

勇気の自分にはできない。

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