一枚の写真。
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この写真を撮影したのは、8月15日。
終戦記念日の日です。
外出から戻り神保町の駅を出ると、異様な雰囲気に足を止めざるおえませんでした。
目の前の靖国通りには何百人という人々が、国旗に喪章をつけ歩いています。
その行進は悲しみとも、怒りともとれる雰囲気でした。
おそらく靖国神社を目指していることは容易に想像できました。
そしてその人たちが過ぎると、冒頭の写真につながります。
何百人という機動隊、警察官。
そして道路に繋がる警察車両の台数の多さにただならぬ気配を感じていました。
すると、大音量で何かを訴える声が耳に突き刺さってきます。
自分は日本の現実を目に焼き付けるため、そこへ向かいました。
そこではある団体と警察、機動隊が50センチまで向かい合い睨み合いが起きていました。
そしてその団体の街宣車からは大音量で相手に罵声を浴びせていました。
靖国通りにその団体が入らないように、機動隊がバリケードをくみ防いでいたのです。
一方的に罵声を浴びせる団体に対して、特に何かをするわけでもなく、ただ諦めるのを待っているようでした。
時々耳を塞ぐ警察官がいるぐらいです。
それほどまでに大きな音でした。
その睨み合いのほんの4メートルまで近づき動向を見ていましたが、耳に入る音があまりにもでかく、その場を離れることにしました。
4メートルまで近づいたときは、双方の表情がわかるぐらいの近さです。
団体は警察には手を出しません。
公務執行妨害で捕まるのをわかっているから、大音量で罵声を浴びせ、個々でも挑発的な言葉を警察官に言っていました。
それは主張ではなくただの罵りにしか聞こえませんでした。
機動隊も先に手を出すと、過剰防衛で問題になるので手は出さないのです。
ひたすら罵声のみが周りをつつみ、かなりピリピリした空気に包まれています。
まったくこのことを知らなければ、平和な日本だなと思いますが、行進にしろ、団体にしろ、まだまだ戦争は終わっいないことを再認識したのです。
真珠湾の訪問により、また一つ戦争の憎しみ、恨みが少しずつとけていくかもしれません。
でも、マスコミが報道しない。本当の日本の姿。
実はまだ戦争が終わっていない人たちがいることを目の当たりにしたのでした。