光と影

この写真を見てどう思います?

新幹線がかっこよく写っている写真。

確かにそうかもしれません。

でも何かおかしいと思いませんか?

そう。

ホームに乗客が1人も写っていません。

パソコンで人を消して修正したわけではありません。

実際その場には誰もいないのです。

北海道新幹線の奧津軽いまべつ駅の現実です。

一本の新幹線で上り下りも利用客は数人の駅。

じゃ駅作んなきゃいいじゃん。

確かにそうです。

実はこの駅、青函トンネルで事故があったとき用の退避駅の役目もあります。

この駅と同じ役割の駅が北海道側にもあります。

でも。

こんなに立派な駅なのだから、非常時ではなく日常的に利用してほしいものですが、重ねて書きますかこれが現実です。

一次交通の新幹線の駅があっても、二次交通のバスを頑張って運行しても、お客さんが来ません。

二次交通のバスを降りた津軽中里駅前がこちら。

昔地元だった自分も少し困惑します。

ここからどうするの?

バス、汽車がありますが利便性がいい時刻表とは言えないので、観光復興とはほど遠いのです。

でも世の中にはそれを不便とは言わず、醍醐味だったり、味、風情と感じてくれる人もいることは確かです。

このジブリ映画に出てきそうな駅ナカの風情。

いいと思うんですけどね。

景勝地はほぼありません。

グルメだってほぼありません。

温泉だってないです。

あるのは冬の厳しさと地吹雪だけです。

でも、時間はゆっくり流れています。

都会の早送りの時間や息の詰まるような人ごみはありません。

これを生かすかダメにするかは地元の議員さんしだいだと思います。

観光客も数名いました。

カメラで風景を切り取っている人や、スタンプラリーを楽しんでいる人。

そして、その場に確かに存在した自分。

あとから気づいたのですが自分も東京から来た旅人だったことを。

新幹線の光のために、影のようなまち。

この天秤は釣り合う日が来るのでしょうか。