これが平和だと初めて感じた。

自分が生きているうちにこの日が来るとは思わなかった。

アメリカの現職の大統領が広島に立っている。

自分の浅い人生の中でも、これほど心打たれた映像は記憶にない。

スピーチのあと被爆者に歩み寄り言葉を交わした。

その時の被爆者の表情を忘れられないだろう。

長年の苦しみから解放されたような表情に見えた。

日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表委員の坪井直(つぼい・すなお)さん(91)は、その後のTBSとのインタビューで、

「我々は恨みや何かは関係ありません。だから、私たちはオバマさんが来られたことは大歓迎します、感謝しております」

被爆者から感謝という言葉がでるとは正直思わなかった。

自分の勝手な解釈だと、まさに歓迎はされない場所に一歩を踏み出し、そこに立った事への感謝なのだと思う。

昔の歴史の授業で核戦争、人類滅亡へのカウントダウンの時計があることを知った。

世界終末時計だ。

毎年修正されるが、今日の歴史的な1日で、時間は戻されるだろう。

ATSUSHI TOMURA VIA GETTY IMAGES

これを平和と言わず、何と言うのか。