14時46分から何が起きたのか

3月に入り、11日のことを思ってしまう。

5年前、地震発生後何が起きていたのか。

その時間帯、自分は職場のある新宿から自宅まで歩いていた。

4時間半の道のり。

その間、情報は一切入ってこない。

前を向いても後ろを見ても、右を見ても左を見ても、人、人、人。

みんな帰るに必死だった。

その時、東北で何が起きていたのか。

5年の歳月を経て、知ることができた。

YouTubeに14時46分からすなわち地震速報後直ぐのNHKから始まる。

30秒以内には津波警報を出していた。

民法はまだ、通常番組から切り替わらない。

このことを考えると、NHKの早さには素直に感服する。

最初のうちは市役所に電話で繋がったところから話をしていたけど、情報が入って来ていないので、ほとんど空振りだけど。

本当の恐ろしさは地震発生から1時間30分後。

取材ヘリコプターが撮影した映像。

津波で石巻市、小名浜市に津波が押し寄せる映像が映し出されている。

漁船も家も津波にさらわれていく。

車なんかミニカーのように流れていく。

そして、津波はまた引いていくのも映像に映っていた。

生き物のような津波が、名取市をのみこんでいく。

仙台空港ものみこまれていく。

空から見ていると、そこに住んでいる人たちの生活が失われていくのを、ただ傍観するしかなかった。

太平洋側は津波から逃げることはできない。

反対の日本海側でも津波はあった。

どれだけのエネルギーなのか想像がつかない。

津波が港からあふれていて、その直ぐ側を車が走っている。

早く逃げて!

そう思わずにはいられない。

5年前の映像なのに。

映像は渋谷の帰宅困難者を、空から撮影したところで終わる。

自分が見た4、5時間が全てではない。

でも、絶望感と恐怖を感じ取るには十分だった。

映像に映し出された現実は無情すぎる。

自分には何ができるのだろうか。

被災した人は言う、5年はたったと言うけども、ただ時間が流れただけ。

区切りでもないし、何の意味ももたない。

今も苦しんでいる人がいることを忘れてはいけないと再認識する映像だった。

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