情けは人のためならず

とても大好きな話があります。

俺は昼休みにいつものそば屋に行った。
店は混んでいて、入り口に一番近い席しか空いていなかった。
席に着くなり店員が慌ただしく注文を聞きに来た。
「ざるそば一つ」
そう伝えると、店員は復唱し店の奥に消えていった。
暇になった俺は、スマフォをいじりながら待っていると、
「すいませーん」
入り口の方から声がした。
気にせずスマフォをいじっていると、
「すいません。道を教えてほしいのですが」
俺は声をした方に視線を向けると、80代ぐらいのおばーさんが、大きな荷物を持ちながらたっていた。
「○○会館まで行きたいのですが、道を教えてもらえませんか」
おばーさんは困った表情を浮かべながら立っていた。
○○会館はここから10分ぐらいの所にある建物で、初めての人には、わかりづらいところだ。
店員は、お客さんの対応で忙しいのか、誰も行こうとせず、お客の誰一人、気にする人もいなかった。
目線をあげた時、おばーさんと目が合い、おばーさんもこちらを見ていた。
俺は、渋々席を立ちおばーさんの所に行くと、会館への行き方を早口に説明した。
おばーさんは、うなずきながら聞いていたが、途中から「右に曲がったらどこを左でしたっけ」と聞いてきたので同じことを繰り返し説明してあげた。
そうすると今度は違う所で、また交差点の進む方向を聞いてきた。
なかなか話が進まないでいると、
30分までに着かないといけない。言ってきた。
時計に目をやると十数分前だった。このままでは間に合いそうもない。
俺はおばーさんの荷物を持つと、
「一緒に行きましょう。その方がいい」


そういって店を出て、おばーさんと会館に向かって歩き出した。
道すがら俺って何してるんだろう。と思って少し後悔し始めていた。
おばーさんを目的地の会館まで送ると、おばーさんは、何度も頭を下げてお礼を言ってくれた。
俺は照れながら片手を挙げて「早く行かないと」とだけ言うとすぐに振り返り歩き出した。なんか少しうれしくなって歩いていたけれど。「あ。」すっかり忘れていたことがあった。蕎麦屋で注文してそのまま出てきてしまったことを思いだし、また後悔の気持ちになっていった。
注文した以上戻らないと。ただ後悔だけだった。
店に戻ると45分ぐらいで店は大分空き始めてきた。
また、席に座る。もちろんそこには蕎麦はなく、お冷もなくなっていた。俺は財布を出してレジまに行こうとしたら、さっきの店員がニコニコしながら「お客さん座って」といいながらまた、お冷やをおいてくれた。「お客さん戻りました」と声をかけてまた奥に戻っていった。俺は何のことかわからず、座っていると、奥からこの店の主人と思われる、初老の男性が出てきて、俺の目の前にあるものをおいた。
それは蕎麦だった。しかも見たことのない大盛りの蕎麦だった
困惑気味に主人を見上げると、「お客さん食べるまで、時間かかかったから、蕎麦のびてこんなに増えちまったよ。のびた蕎麦だからお代はとれないよ。」
もちろん蕎麦はのびているどころか、今ゆでたてで艶々していた。「いいんですか?」と聞くと、「情けは人のためならずて言うだろ。さあさあ。時間がないから早く食べて戻りな」と、言うとまた奥に戻っていった。時間をみると後10分だった。
俺は山盛りの蕎麦を食べながら、遅くなった理由を、そのまま報告しても信じてもらえるかなと、思いながら頬ばっていた。わさびを入れてないけど、少し涙がでそうになった。

いかがでしたか?昔テレビでやっていた話を少し自分なりに考えて書いてみました。

この話は、「情けは人のためならず」という所にポイントがあります。
実は私が学生の頃は、この言葉の意味は全く違っていて、情けをかけるとその人の為にならないから、それはしては行けないという意味がありました。
ですが、本来の意味は、人にかけた情けはその人ばかりではなく、まわりまわって自分に返ってくるからという意味だということがわかりました。
あと、自分の行いは誰かが見ているということもあります。
もちろん、これはいいことも、悪いことも行いは必ず人は見ていて、そのうち自分に返ってくると言うことです。

私は道を尋ねられるとわかる範囲ではなるべくは答えるようにしています。
実は私は重度の方向音痴でよく道に迷います。
だから、その気持ちは分かるのでなるべくは、力になろうとしています。
自分が迷ったときの為に貯金ですね。
やっぱり行動て貯金、や借金があると思います。どうでしょうか?

とても長く読みづらい文
におつきあいくださってありがとうございました。