青森県十和田市の三本木農業高校の生徒は動物の骨を涙を流しながら砕いていた。
なぜなのか。
青森県動物愛護センターでは、捕獲された動物、持ち込まれた動物を殺処分している。
見学した、 三本木農業高校の生徒はある事実を知り苦しんでいた。
殺処分され焼却された動物の骨は、土に返されることなく、『ゴミ廃棄物』として捨てられていた。
そこで、
高校生の自分たちにも何かできることはないか。そう考えた生徒が発案したのが、骨を土に混ぜ、花を咲かせるというものだった。
花を多くの人に届けることで、殺処分のことを広めることができる。ゴミになって終わるのではなく、植物になってもう一度生まれ変わることができる、と考えた。
それが「命の花プロジェクト」だ。
そのためにはしなければいけないことがあった。
焼却された骨に混じっている、首輪、ネームタグなどの骨以外の物の分別。
そして、冒頭にあった骨を砕く作業だった。
想像以上に辛い作業だったらしい。
涙を流しながら、心の中でごめんね、ごめんね。と何度も言っていたという。
骨を細かく砕き、土に混ぜ、種をまき水をあげていた。
人によっては呪われるからやめて欲しいなどと、言う人もいたが、プロジェクトは綺麗な花を咲かせることになった。
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花を咲かせることは、このプロジェクトの通過点にすぎない。
全国で殺処分されている動物たちをゼロにすることが、プロジェクトの最終目標。
殺処分される動物の数は何万とも何十万とも言われている。
天文学的な数字であっても、なんかのCMのキャッチコピーで次の言葉があった。
人間が想像できることで、不可能なことはない。
決して非難するだけで、通り過ぎるだけではなく、同じ人間として考えなくてはいけない。