僕は忘れない僕は風になって君に会いに行く 「チョット待ってよ!」 僕は思わず前を自転車で走る人物に声を投げた。 自転車は小さなブレーキ音とともに止まった。 「なによ。走っても行けるって言ったのそっちじゃない。」 自転車はUターンして来て僕の前に止まった。 「もうだらしないな。ほら。...僕は忘れない
僕は忘れない僕が昨日見た夢は、明日の君。 僕は冬空の中、いつもと変わらない通学路を歩いていた。 道路脇の広葉樹の葉は大分前に落ちてしまい、その隙間から太陽が僕に暖かく注いでいた。 前を見ると、どこかで見た後ろ姿があった。どこかでと言うよりさっきまで同じ教室に座っていた同級生だ。 学...僕は忘れない
僕は忘れないあの夏の君を僕は忘れない 『快斗。もう。晩御飯食べてから行きなさい!』 玄関で靴を履いていると僕の背中に母からの声が飛んできた。 『適当に何か買って食べるから今はいい。』 それだけ言い残すと、靴を突っかけたまま外に出た。 日中はあんなに暑かったのに、太陽が西の空に沈...僕は忘れない