威風堂々

皆さんは青焼きて知ってます?

今川焼きみたいな食べ物ではありません。

日本は昔から設計図などの図面をコピーするとき、青焼きというコピー方法をとっていました。

感光紙という紙にアンモニアと反応して青くなります。

青写真とありますが、なんで青なのて思いませんでしたか?

その青はここの青焼きの青から来てます。

設計図とか、未来のものなので、未来予想図みたいな意味で青写真なんですね。

その青焼きの複写機を今回の移転で、廃棄するので、立ち会いをしてきました。

廃棄業者の営業の人が言うには、この機械を持っているのは、西東京、23区以外の東京ではうちと他に1社しかないそうです。

まさに伝説的な機械なのです。

運び出しで、解体していきます。

それを眺めながら、この機械自分より社歴長いよなと思っていた。

随所に見られる傷や、使い込んだスイッチに歴史を感じる。

まわりのものを取り外されても、何か威厳というと変だけと、そんなものを感じる。

ついに運び出し、床のカーペットがめくれないために、ベニアの厚い板を敷きその上を押していく。

ベニアにのると、ベニアが軋む音がする。

相当重い。

大人3、4人で移動する。

それだけ重い。

進むごとに板が軋んでいく。

その音は最後のメッセージに聞こえる。

我を動かしたくば、汝の全力を見せよ。

汝の力、しかと見届けた。

これからの時代を任せた。

散る間際まで威風堂々としている。

散り際の美学を見たような気がした。

月末には新しい白焼きの複写機がやってくる。

そうやって世代交代していくのだ。

この立ち会いでなにか、引き継ぐまものを受け取ったような気がした。