ノクターン号

青森に帰省してた頃、まだお金はなく、新幹線でも高く感じ、飛行機なんて高嶺の花だった時代。

帰省は深夜バスで帰っていた。
地元のバス会社の弘南バスが走っている。
10時間のバスの旅。

キングオブ深夜バスの博多号の14時間にはかなわないけど、10時間は結構キツい。

いつも帰省時期に切符を取るので、自分で言う本物にはなかなか乗れない。
結構激戦なのだ。かっこよく言うとプラチナチケットだ。

本物が何かというと、バスにトイレ付きで、三列シートで結構ゆったりしてるのがそれだ。

じゃあー。偽物て何かというとトイレ無しの四列シートのバスだ。よく見る観光バスを想像してもらえると助かる。

トイレがついてないから、サービスエリアに2時間ごとに留まって休憩をはさむ。

その時は室内灯がついて容赦なく起こされる。

というか、偽物に乗るとその乗り心地があまり良くない。はっきり言って寝れない。

何時間も乗ってるとお尻のお肉がとれそうになる。結構痛い。
だから殆ど眠れない。

その休憩でバスから降りて、お尻のお肉を解放してあげるのだ。
見知らぬサービスエリアで空を見上げると、そこには満天の星空。ジュースを飲んだりして休憩する。

そしてまた着席して、お肉がとれそうになって、サービスエリアで解放の繰り返しを4回ぐらいすると目的地に着く。

一回正月で利用したとき、勿論偽物でしかも、朝起きたらまだ仙台という事があった。

雪のため東北自動車道が通行止めになり下の道を走ってるのだ。結局、13時間費やし目的地に到着したこともあった。

もうあの時は、もう二度と乗るまいと誓ったのだけど、一回だけ本物に乗ることができた。

広いシート。自由にリクライニング。本当に天国のような乗り心地だ。

でもサービスエリアでの休憩はないので、満天の星空も、ジュースもないのは少し残念だ。

帰るときは、もう飛行機しか乗らない。

でも、最近は新幹線も通った事だし、新幹線かな。

でももう一回は乗ってみたいと思ったりする。
あんな乗り物なのに。

ノクターン号に。

最後に長い時間運転している運転手さん。

毎日お疲れさまです。
無事故で運転してくれてありがとうございます。

この深夜バスがなかったら、田舎に帰ることも無かったと思います。
感謝します。
これからもお体に気をつけてがんばってください。