鴻巣国道で高1の女生徒が道路に散乱した古紙を一人で拾い集めていた。
一度は通り過ぎたのに、見ないふりはできないと戻ってきて、拾い始めた。
自転車のカゴはすぐに一杯になり、女生徒はコンビニにゴミ袋を買ってきてまた、拾い始めた。
国道の交通量の多い中、信号が変わるたびに拾い続けた。
鴻巣署に通報があった。
道路で女の子がゴミを拾っているから助けてほしい。
警察が現場に急行すると、そこにはゴミ袋三つをどう持って帰るか、思案している女生徒がいた。
警察官の姿を見ると、女生徒は涙を流した。
持って帰れずに困り果てていた時だった。
場所は代わり、島根の国道では男性が小学生の登下校を見守っていた。
男性は34年前に娘さんを交通事故で亡くしていた。
何十年と見守りを続けその日は突然来た。
小学生と男性に向かって飲酒運転の車が突っ込んできた。
小学生は軽い怪我で済んだが、男性は亡くなってしまった。
男性は小学生をかばって亡くなった。
車が突っ込んでくる時間にして、数秒。
男性は何を思ったのだろうか。
娘さんを思い出していたかもしれない。
結末は残酷だ。
もしこれが逆の結末だったら、男性はそれこそ死ぬほど後悔と自責の念に苦しむと思う。
前の女子高生は感謝状を受けていた。
でもそこには笑顔はなく、凛々しく写真におさまっていた。
男性は感謝を受け止められずこの世を去った。
昔何かのアニメで勇気と言うものは、相手によって出したり、引っ込めたりするものじゃないてというセリフがあったけど。
正義て感謝されるために、したりしなかったりするものじゃないことを、二人に教わったような気がする。
今回二人にお礼を言いたかった。
ありがとう。