優しい日本人。

伊勢から帰途につき。

東京駅の新幹線から在来線への乗り換え改札を出て歩き出すと。

すいませんと。か細い声で話しかけられた。

声の方を見ると女性が何かを言ってきている。

片言の日本語だった。

その話を要約すると、

新幹線からでて東京駅で待ち合わせをしているのだけど、lineをして電話番号はわかるのだけど。電話したくても、私のスマフォは電話をかけれないから、このlineにでてる番号に電話をしてほしい。

(今思えば変な話だけど。)

と、ベトナムの人が自分に言ってきました。

どうしたものかと困っていると、奥さんと、奥さんのお姉さん夫婦も戻ってきて、話に加わります。

問題は見ず知らずの外国の人の言う、電話番号にかけていいのかと言う話。

自分がどうしたものかと考えていると、お兄さんが、だったらこのスマフォを使えばいいと、自分のスマフォを出して電話をかけます。

悩んでいる自分とは、人の器が違ってました。

電話をして、相手もベトナムの方らしく、今いる場所を伝えると、ここに来るという話になりました。

でも待てど暮らせど、くる気配がありませんというか、あれほど人の多い東京駅校内で、全く面識のないベトナム人を探すのですから。

針の山から穴のあいてない、針を探すようなもの。

事態は早くも暗礁に乗り上げます。

結局お兄さん夫婦が、相手の人のいる場所まで連れて行ってあげることになり、しばらく自分たちは、先で待っているお父さんとお母さんの所で待機。

しばらくするとお姉さん夫婦も帰ってきました。

話を聞くと、改札の外にいたという。

それなら駅の中にいないのだから、いつまで経ってもこないわけだ。

一応解決したと言うことで、解散となりました。

改めて自宅に帰り始めたのです。

外国の方が日本に来て、日本に行って酷い目にあったと、思われるのはよくないと思い。日本人は親切だと思って帰ってほしいと。普段から思ってはいましたが、実際なってみると、結局は何もしてあげれてはいませんでした。

お兄さん夫婦のことを、親切な日本人と言うのだろう。

自分は全くダメな日本人だった。

落ち込んでいると、奥さんが自分に言う。

あれだけの日本人がいて、あなたに話しかけたという事は、一番あなたが声掛けやすかったんじゃない。

見かけだけは親切そうな日本人らしい。