嘘のよう本当な話

受験シーズン真っ只中。

受験生の人には希望の学校に受かって欲しいものです。

話は自分が高校生の時。

学校の先生から聞いた話。

その当時から十年も前だから、今から30年前の話です。

その先生は警察からある証言を頼まれていました。

その証言はとても重要で犯人を逮捕するには必要でした。

でも先生は犯人と面識があり、知り合いを警察に突き出すようなことはしたくないと、証言を頑なに断ったそうです。

それでも警察署の署長直々に頼まれたこともあり、証言をすることにしたそうです。

犯人は逮捕され、事件は幕を閉じました。
それから数年後。

学校も通常の移動で他県に変わり、そこで教鞭をとっていたそうです。

ある日、先生は生徒の願書を提出するために、車を飛ばしていました。

願書の締め切りは今日。

もうそんなに時間はありません。

先生の車は尋常ではないスピードで走っていました。

しばらく走っていると、やっぱりパトカーに止められます。

振り切ろうとも考えたらしいですが、車を止めて、事情を説明する事にしたそうです。

パトカーの警察官もそんなにスピード出して、どこ行くの?当然のことを聴いてきます。

先生は願書を今日届けなくてはいけないと話をして、後から必ず出頭するから、今は見逃して欲しいことをお願いしました。

警察官には知ったことではありません。

車のボンネット開けてと言ってきたそうです。

あれだけのスピードが出る車なので、きっと改造車だろうと、まずはそこから見るような構え

先生は必死にお願いしたそうです。

一人の生徒の人生がかかっていると。

先生が抵抗して、また車に乗ろうとしたのです。

実はこの先生、かなりの強面な顔と風貌です。

警察官も、応援の警察官を無線で呼びます。

パトカーが増えて状況は悪くなり、先生はもう間に合わないと思ったそうです。

その時、一本の無線が入電します。

その無線をやりとりしていた、警察官が戻ってくると。

行っていいと言う話になったそうです。

そのかわりあとから必ず、出頭するようにと念をおされました。

先生もなぜ急に良くなったのか、わかりません。

しかもパトカーが先導してくれると言う話になり、ついて来るようにと言われたそうです。

願書も無事に届けそのまま警察署に出頭したそうです。

そこで罰金と免許停止になるぐらい、点数を引かれたそうですが、そのまま帰れたそうです。

なぜか。

先生が後々聞いた話だと、警察官が交わしていた無線の相手は、数年前の警察署の署長でした。
今はもっと上に行って、偉くなってたそうです。

話の中でその人物は、本県での事件解決に大いに貢献した人だ。人物も決して逃げ隠れる人物ではない。私の言葉を信じて今は先生に協力してやって欲しいとの話だったそうです。

それでなぜ急に警察官の態度が変わったのか納得したそうでさす。

借りた恩は返すという訳ではないけど、嘘のような本当の話。

信じるかはあなた次第。

そんな話でした。